不立にして多惑

36才主夫のひとりごと

ネタバレなし 「君の名は。」

久しぶりに映画。
話題の「君の名は。」観に行きました。

まず、オープニングが良かった。
世界観、ストーリーの要約、登場人物の個性、作品のテーマなどの要素が、実に巧みに凝縮されていた。RADWIMPSの楽曲が一番生きたのもここだと思う。
アニメはやはりオープニングがキモ。
これって日本独自の文化だよね。

ストーリーはなるほどって感じ。
特にヒロイン側の背景は予告映像からは想像つかない。
ざっくり言えば、取り返しがつかないはずのものを取り返そうとする話。
結末も概ね観客の思いに沿ったものだったと感じる。

絵はたいへん綺麗。メディアが盛り上げていた通り、確かに光の加減が上手。
静と動の置き方も上手い。後半になるにつれ疾走感が強くなっていく展開はさすが。

美しさ、爽やかさが強く印象に残る作品だったといえる。

しかしなんとも惜しいのは、腹八分感、もうちょっと食べたい感が残ること。
観客にとって大事なパーツを省略してしまう場面がちょっと多すぎる。
どんな説得をしたのか、とか、逃げるときはどうだったのか、とか、その後、確執はどうなったのか、とか、どういう経緯で東京なのか、とか…も少し説明がないと物足りない。
エピローグを入れれば良かったのに。そのときのことを振り返ったり、さらに数年後、とかさ。
期待してエンドロールを最後まで見ていたけど、サプライズは特にないまま、照明が点いてしまった。
行間を読ませるって難しい。
ばっさり切っても大丈夫なときと、ちゃんと見ないと気が済まないときがある。
限られた2時間で何を見せるかはまさにセンス。

あと、ルール設定でよくわからないところがあった。
いまなんのためにそれしてるの、なんで迷いなくそっちをとったの、みたいな。
ここはおばあちゃんの説明的なセリフが欲しいわ、的な。
劇場版マクロストップをねらえラピュタナウシカもののけ姫グレンラガン
神作品は数あれど、やっぱりどの作品も話がシンプルで、やることがはっきりしている。
独特な背景、設定は、立つと面白いけれど、やっぱり分かりやすいことは大切なんだな。

でもでもともかく。
ニューウェーブを感じさせる作品であったことは間違いなし。
楽しませていただきました。